月とあなたと音楽と♪ 〜 1 / f yumi L@b〜

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お父さんとの恋

ファザコン

一人娘の例に漏れず、
わたしも相当なファザコンでした。

とくに、両親が離婚して、
父の方に残った、
わたしとの、2人暮らしの期間は、

親子というより、
プラトニックな恋人同士のようでした。


小さな頃、
わたしはとにかくお父さんが好きで、
いつもひっつきまっつきしてて、


でも、母が出て行ってからは、
一緒にお風呂に入る事もなくなり、
スキンシップが少なくなり、

自然な距離が開いた気がします。


闘病

父は、わたしが小学5年生の時に、
直腸癌を発症し、

わたしが、高校2年の秋に、亡くなりました。


発症した時、
『手術しても2〜3年』
と言われていたらしいので、

そうとう、がんばってくれました。


父が入院している間、
いろんな親戚の家に預けられるんですが、
それがもう、そうとう辛くって。(笑)

でも、
しばらく我慢すれば、退院してくる、と、
そればかりを頼りに、
なんとかがんばれた、
そんな期間もありました。



父も、一番脂がのってる年頃でしたが、
ガンのせいで、
人工肛門になってしまいました。


本当に、本当に、
すごい辛かったんだろうと思うのですが、

ある日、中学生のわたしに、

『お父さんは、カタワや。
好きな女の人も抱けない。』

って、ポツリと弱音を吐いてました。


当時、40代半ば。
いろいろと、しんどかっただろうな、
って、
今なら、全部理解してあげられる。



蜜月

父との生活は、
彼が良い年頃の男性だったので、

深夜まで帰ってこないことも多く(笑)
それはそれは、
さみしい時を、たくさん過ごした、
そんな期間でもありました。


とにかく深夜になっても、
父が帰ってくるのを待つ、という、

そうとうな夜更かし癖がついたのは、
わたしの両親のせいでもあります。


とにかくドライブが好きで、
さまざまな余裕があれば、
意味もなく、深夜のドライブに
連れて行ってもらってました。


他県のドライブインで、
夜中に食べるうどん。

わくわくと楽しさとよろこびと、
そしてしあわせな味がする、
そんな、おうどん。


『おぅ、うどん食べ行くや?』

どこのうどん屋がわからない!(笑)

この一言が、
とっても、楽しかったんです。


お別れのとき

わたしが高校生になり、
バイトも始め、
少し自由になるお金が出てくると、

おませな商業高校に通ってたわたしは、
とても高校生に見えない、
ステキな高校生の友達と、

【夜遊び】

を、覚えてしまいました。


当時は、彼も出来たてでしたが、
その彼と夜遊びしてたわけではないのですが、

『友達んちに泊まるねー!』

って言ったのが、バレちゃいまして、

ディスコ→居酒屋→ドーナツ屋
という、健全(?)サイクルで
朝帰りしたとき、

もー、激怒されまして、


それがきっかけで、
父のもとを離れ、
母の元へ、引越をしてしまいました。



父は、わたしを育てるという、
その気持ちだけで、
そうとう生きるパワーが出てたのでしょう。

2〜3年と言われていた余命を、
彼は6年もがんばってくれました。

わたしが家を出て、
ちょうど1年ほどで、

彼は、この世からいなくなってしまいました。


離れていた1年間、
わたしは、父にはほとんど会いませんでした。


怖かったんですよ



この世から、
もうすぐいなくなるの
わかってるから



こういう時、

『たくさん、会っておこう!!』

って、そんな知恵がなかったんです。


元気な時、最後に会ったのは、
父が入院してた、病院の、
すぐ近くで行われた、
花火大会の日の夕暮れ。


『今日、花火行くんだよ』
って顔だしたら、

ベッドに座った父は、
小さく折りたたんだ千円札をわたしに差し出し、
『ほら、持っていけ』
って。


でもね、お父さん、
それ、最後の千円じゃない?

何かのときのために取っといた、
千円じゃない?



受け取ればよかったけど、
まだ子供だったわたしは、

『いいよ、バイト代入ったけん!大丈夫!
行ってくるね!』

って、受け取らず、
そうそうに退室したのです。


それから、2か月ほどで、
父は、亡くなり、
もう、会えなくなってしまいました。


最後の親孝行のキッカケだったのに。
千円、もらっとけばよかった。



お別れの朝は、
ずっとずっと父の顔を触ってました。

もうずっと、
母が出て行ってから、
触れてなかった父の顔。


わたしの初恋は、ここで終わり。



***
だけど、父から教えてもらった、
たくさんの愛と、
やさしさ、


そして、男性の、
強さと弱さ、
生きることに対しての責任


これらのことは、
今のわたしの中に、
しっかりと刻み込まれ、


(改定も必要ですが)
ちょっとずつだけど、
大切に育まれてます。



もう一回、会いたいね、お父さん。


わたし、
お父さんに似合う、
ステキなレディに、なりましたよ
ʕ•ᴥ•ʔ ♡